最近は、ニュースや銀行の窓口でも「外貨建て」の商品が話題にのぼることが増えていますよね。
日本の金利がずっと低いまま推移する中、少しでも増やしたい、守りたい、そんな思いで外貨建て商品に関心を持つ方が本当に増えています。
銀行に行けば、一時払いの外貨建て保険のパンフレットがずらり。
「円だけで持っていても将来が不安…」
「でもリスクが大きいのも心配…」
こうした悩みや不安の声が増えるなかで、“外貨建て保険”という選択肢がじわじわ広がっている印象です。
でも、ネットで検索すると、ネガティブな意見や「損をした」「やめておいた方がいい」という声も目立ちますよね。
実際のところ、外貨建て保険の一時払いにはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
これから、リアルな目線で解説していきます。。
外貨建て保険の4つのメリット

外貨建て保険が選ばれる理由には、主に4つのメリットがあります。
ここでは、実際に銀行で契約されている方のケースや、よくある質問を交えながらご紹介します。
1. 日本円よりも高金利で運用できるチャンス
日本は世界的にも低金利が続く国。
一方で米ドルや豪ドル建ての商品は、日本円よりも高い金利で運用されることが多いです。
「同じ保険に入るなら、円より外貨で運用した方が戻りが多い」――そんな声も実際によく聞きます。
もちろん為替の影響は受けますが、円建てでは味わえない収益性を狙えるのは大きなメリットです。
2. 割安な保険料で大きな保障が手に入る
外貨建て保険は、予定利率が高い分、円建てよりも少ない保険料で大きな保障が得られることが多いです。
たとえば「同じ400万円を支払うなら、外貨建てだと保障額が大きくなる」など、コストパフォーマンスを重視する方に選ばれやすい特徴があります。
3. 分散投資として外貨を保有できる
今は「日本円だけ持っているのは不安」という声も珍しくありません。
資産の一部を外貨で持つことで、リスク分散にもなりますし、ドルや豪ドルの動きを日々チェックする楽しみも増えます。
資産防衛や分散投資の一つの手段としても外貨建て保険は有効です。
4. 生命保険料控除が使える
まだ生命保険に加入していない方や、控除枠を活用したい方には「外貨建て保険に加入することで控除が使える」という実益もあります。
一般生命保険料控除や個人年金保険料控除の枠が残っている場合は、外貨建てでも適用されるので節税効果も期待できます。
ここまでで「外貨建て保険、案外いいかも?」と思った方もいるかもしれません。
ですが、もちろん良いことばかりではありません。
次の章では、外貨建て保険のデメリットや注意点についても、しっかりお伝えしていきます。
外貨建て保険の3つのデメリット
メリットがある一方で、外貨建て保険にはしっかり押さえておきたいデメリットもあります。
せっかくの資産を守るためにも、デメリットやリスクを知った上で選択することが大切です。
1.運用コストが高い
外貨建て保険は、同じ外貨建ての金融商品(例えば外国債券やFXなど)と比べると、運用コストが高めに設定されていることが多いです。
銀行で販売されている一時払いタイプなどは、販売手数料や保険関係費用がかかるため、「同じ外貨に投資するならコスト面で不利」と感じる人も。
「手数料が見えにくい」「コストがリターンを圧迫している」という指摘もよく耳にします。
2.為替コストが高い
円から外貨、外貨から円に換える際の「為替手数料」も意外な落とし穴。
FXなどの金融商品と比べると、外貨建て保険の為替コストはどうしても高めです。
将来的に受け取るときの円換算レート次第で手取りが変動するので、「円安の時に解約して損をした」という声もあります。
3.途中解約するとリスクがある
ここが最も大きなデメリットで一番苦情になっているところだと思います。
外貨建て保険は、途中で解約すると解約控除などが発生し、元本割れする可能性があります。
「長く持つつもりで契約したけど、急な資金が必要になり、結局損をした」という相談も少なくありません。
契約時は「何年なら続けられるか」「本当に長期で持てるか」をよく考えておくことが大切です。
外貨建て一時払い保険に向いている人
実際に「外貨建て保険って自分に合っているの?」と迷っている方も多いですよね。
ここでは、私の経験も踏まえて“向いている人・向いていない人”の特徴をまとめてみます。
外貨建て保険が向いている人
では外貨建て保険に向いている人を考えてみましょう。
・生命保険がまだ手薄で、終身保障が必要な人
・今まで外貨資産を持ったことがなく、分散投資を始めてみたい人
・日本円だけで資産を持つことに不安を感じている人
・保険料控除など節税も意識したい人
・長期間じっくり保有し、満期までしっかり続けられる自信がある人
・為替の動きにある程度興味があり、自分で出口戦略(円転タイミング)を考えられる人
上記のような方は外貨建て保険を考えてみても良いかと思います。
外貨建て保険が向いていない人
では逆に外貨建て保険に向いていない人はどんな人でしょうか?
・すでに資産運用の経験が豊富で、FXや外国債券など低コストの運用手段を知っている人
・数年以内に資金が必要になる予定がある人
・為替のリスクをどうしても受け入れたくない人
・「運用コストを徹底的に抑えたい」と考えている人
・流動性(すぐに引き出せる柔軟さ)を重視したい人
外貨建て保険は「資産運用の一つ」というよりも、「外貨で持てる生命保険」として、リスクとリターンのバランスを見ながら使うのがポイントです。
自分の資産状況やライフプランに照らして、「本当に必要?」と一度じっくり考えてみることが大切です。
私が考える「外貨建て保険」とのつきあい方(活用例とアドバイス)
ここまで外貨建て保険のメリット・デメリット、向いている人・向いていない人を整理してきましたが、
「じゃあ、結局どう使えば失敗しないの?」と迷う方も多いはず。
私が現場でよく感じるのは、
「なんとなく良さそうだから」
「銀行で勧められたから」
とよくわからずに契約してしまい、あとで後悔するケースが意外と多いことです。
外貨建て保険は、資産運用だけを目的にする商品というより、
「外貨で持てる終身保険」
「日本円以外でリスク分散できる金融商品」
という位置づけで考えるとしっくりきます。
特にまだ生命保険料控除を活用していない方や、今まで日本円資産しか持ったことがない方には、
・日本円よりも有利な条件で死亡保障を持てる
・資産運用も同時に備えられる
という2つの価値があります。
活用するときのコツは「途中でやめない」「出口戦略を自分で考えておく」こと。
たとえば、「将来円に戻すタイミングを自分で決められるか」を事前にイメージしておくと、思わぬ損失を防ぐことにつながります。
「投資として爆発的なリターンを狙いたい」
という人には向きませんが、
「人生のリスク分散」
「守りと節税も大事にしたい」
という方には十分選択肢になるはずです。
迷ったときや不安があるときは、無理に決断せず信頼できるFPや専門家に相談して、納得した上で決めることが一番です。
まとめ〜外貨建て保険は“自分に合うか”で判断しよう〜
外貨建て保険は、メリットもデメリットもはっきりしている金融商品です。
・高金利や分散投資、保険料控除のメリットを活かしたい人
・長期間コツコツ続けられる人
・外貨や為替に興味がある人
には、人生の「守り」として選択肢になりえます。
一方で、
・流動性やコスト、為替リスクを徹底的に抑えたい人
・資産運用を自分でコントロールしたい人
には、他の商品が合うかもしれません。
一番大切なのは、
「外貨建て保険なら絶対安心」
「絶対ダメ」
といった一方的な意見ではなく、
自分自身の資産状況や価値観に本当に合っているか?を基準に考えることです。
もし今
「日本円の保険しか持っていない」
「まだ活用していない資金がある」
なら、一度外貨建て保険も検討してみる価値はあります。
その際は、納得いくまで説明を聞いて、自分自身でしっかり選んでくださいね。