がん保険は本当に必要？選び方・年代別のポイント・おすすめ保障を総まとめ

各保険会社の代表商品として「がん保険」があります。

様々ながん保険が販売されていますが、どの商品を選べば自分にあっているのかよくわからない人が多いでしょう。

そんながん保険は必要なのか？また必要であれば選び方や年代別のポイント、おすすめの入り方について説明していきましょう。

がん治療にかかる費用と保険の必要性

がんは今でも日本人の死因第1位であり、多くの人にとって「一度は聞いたことがあるけれど、自分には関係ないかもしれない」と感じる病気かもしれません。しかし、もしもの時に備えて、治療費がどれくらいかかるのかを知っておくことはとても大切です。

がん治療の主な方法と費用

がん治療には主に「手術治療」「放射線治療」「化学療法（抗がん剤治療）」の3つがあります。
厚生労働省の調査によると、がんの入院治療費の自己負担額は平均6〜8万円程度、通院治療費の自己負担額は4,000円〜1万1,000円程度となっています（公的医療保険適用後の金額）1。
また、がんの種類や治療法によっては、さらに高額な費用がかかるケースもあります。

特に、陽子線治療や重粒子線治療といった先進医療は1件あたり300万円を超えることもあり、公的医療保険の対象外となるため、全額自己負担となります。

公的保険でカバーできる範囲と自己負担

がん治療費は公的健康保険が適用され、自己負担は原則3割です。さらに「高額療養費制度」を利用すれば、1ヵ月あたりの自己負担額は収入に応じて上限が設けられています。

例えば、一般的な収入の方なら1ヵ月9〜10万円程度、4ヵ月目以降は一律44,400円で済みます。

しかし、差額ベッド代（個室料金）、通院や入院時の交通費、日用品、食費などは全額自己負担となり、これらの費用も無視できません。

がん保険の必要性

がん治療は長期化する場合も多く、治療費以外にもさまざまな出費が発生します。

ある調査によると、「がんになったとき、治療費などで家計に負担を感じたか？」という質問に対し、次のような結果が出ています

• 預貯金でまかなった人：43％
• 
  医療保険・がん保険を活用した人：38％
• 
  家族・親せき・友人からの援助：11％

この数字から見えてくるのは、「預貯金で何とかなる人はいいけれど、そうでない人にとって保険は“支え”になる」ということです。

貯蓄や収入でまかなえない場合や、先進医療を希望する場合、あるいは入院時に個室を利用したい場合などは、がん保険で備えておくと安心です。

また、治療のために仕事を休むことで収入が減少するリスクもあります。

がん保険には「診断給付金」や「通院給付金」など、治療費以外の経済的負担をカバーできる保障もあるため、費用の不安なく治療に専念したい方にとって心強い備えとなります。

こういった「時代の治療スタイル」に合った保障内容を、しっかり確認することが大切です。

がん保険の主な種類と特徴

がん保険にはさまざまな種類があり、保障内容や給付のタイミング、保険期間などによって特徴が異なります。

ここでは代表的ながん保険の種類と、それぞれの特徴について解説します。

1. 終身型と定期型

終身型がん保険
契約時から一生涯にわたって保障が続くタイプです。保険料はやや割高ですが、年齢を重ねても保障が切れず、長期的に安心できるのが特徴です。保険料は原則として契約時のまま変わらないことが多いです。

定期型がん保険
10年や15年など、一定期間だけ保障が続くタイプです。保険料は終身型より割安で、ライフステージや家計状況に合わせて見直しやすいのがメリットです。ただし、更新時に保険料が上がる場合があります。

2. 保障内容による分類

種類	特徴・ポイント	こんな人におすすめ
入院給付金型	がんで入院した場合、日額で給付金が支払われる。診断給付金や手術給付金なども組み合わせ可能。商品数が多く、特約で保障を広げられる。	幅広くがんリスクに備えたい、一生涯の保障がほしい人
診断給付金型	がんと診断された時点でまとまった一時金が支払われる。入院や手術の有無を問わない商品も多い。	治療開始時にまとまったお金が必要、自由な使い道を重視する人
治療給付金型	放射線治療や抗がん剤治療など、実際に治療を受けたタイミングで給付金が支払われる。	治療の進行に合わせて給付金を受け取りたい人
通院給付金型	通院治療に対して給付金が支払われる。近年の治療スタイルに合った保障。	入院よりも通院治療が多い人、仕事を続けながら治療したい人
実損補填型	実際にかかった治療費や自己負担分を補填するタイプ。自由診療や先進医療にも対応する商品も24。	最新治療や自由診療も視野に入れて備えたい人
収入保障型	がんで働けなくなった場合、毎月一定額が給付される。家計への影響をカバー2。	働けなくなった場合の生活費を重視したい人

3. 特約の活用

多くのがん保険は、主契約に加えて「先進医療特約」「再発・転移時の追加給付」「女性特有のがん特約」など、ライフスタイルやニーズに合わせて特約を付加できます。

がん保険は、「終身型・定期型」といった期間の違いだけでなく、「診断給付金型」「治療給付金型」「入院・通院給付金型」「実損補填型」「収入保障型」など、保障内容によっても多様な選択肢があります。

自分や家族のライフプラン、治療に対する考え方、経済状況に合わせて、最適なタイプを選ぶことが大切です

もしもの病気”に備えることは、自分自身だけでなく家族の安心にもつながります。

年代別にみるがん保険の選び方・ポイント

では各年代別でのがん保険の選び方やポイントを見ていきましょう。

20代

• がんの罹患率は低く、必要性は高くないが、保険料が安い時期に加入すると将来的に有利。
• 収入が少ない場合は、診断給付金（一時金）中心の最低限の保障で十分。
• 20代後半の女性は、女性特有のがんに備えた保障を検討してもよい。

30代

• 結婚・出産・住宅購入などライフイベントが多い時期で、家族のための備えも必要。
• 収入減や治療費リスクに備え、入院給付金や通院給付金、実損補填型、収入保障型など、保障を充実させつつ保険料は抑える。
• 特に30代後半からはがんのリスクも上がるため、保障内容の見直しも検討。

40代・50代

• がんの罹患率が大きく上昇し、診断給付金や通院給付金など手厚い保障が必要。
• 家計の負担が大きい時期（教育費・住宅ローンなど）なので、収入減少や長期治療に備える保障も重要。
• 先進医療特約や女性特有のがん特約も検討。
• 健康状態によっては加入できる商品が限られるため、早めの加入が有利。

60代以上

• 罹患率はさらに高まるが、退職や年金生活で収入減少リスクが下がる。
• 保険料負担や健康状態による加入制限を考慮し、必要最小限の保障に絞る選択肢も。
• 健康状態次第では「引受基準緩和型」や「無選択型」など、加入しやすい商品も検討

年代によってがん保険の必要性や重視すべき保障内容は大きく異なります。自分や家族のライフステージ、経済状況、健康状態に合わせて、最適な保障を選ぶことが大切です。

がん保険のよくある質問（Q&A）

Q1. がん保険は本当に必要ですか？

A. 公的医療保険や高額療養費制度で治療費の自己負担は抑えられますが、差額ベッド代や通院交通費、治療に伴う収入減などは自己負担です。これらの経済的リスクに備えたい方には、がん保険が有効です。

Q2. どんながんが保障の対象になりますか？

A. 一般的に「悪性新生物（がん）」が対象ですが、保険によっては「上皮内がん」も保障対象になる場合があります。加入前に保障範囲を必ず確認しましょう。

Q3. がんと診断されたとき、どんな給付金がもらえますか？

A. 主に「がん診断給付金（一時金）」「治療給付金」「入院・通院給付金」「先進医療給付金」などがあります。商品によっては「女性疾病特約」や「乳房再建給付金」なども付加できます。

Q4. 先進医療特約は必要ですか？

A. 先進医療は公的保険の対象外で、治療費が数百万円に及ぶこともあります。先進医療特約を付加することで、こうした高額治療費にも備えられます。保険料は月100円程度と少額で付加できる場合が多いので、検討する価値は高いです。

Q5. がんにかかったことがある人も加入できますか？

A. 過去にがんを経験している場合、加入できる保険は限られますが、がん経験者向けの商品も登場しています。健康状態や告知内容によっては、加入できない場合もあるので、事前に確認しましょう。

最新のがん保険事情・トレンド

近年のがん保険は、治療方法やライフスタイルの多様化に合わせて、以下のような特徴が強まっています。

治療前から治療後まで幅広く保障
　診断前の精密検査、三大治療（手術・放射線・抗がん剤）、緩和ケア、治療後の生活サポートまでカバーする商品が増えています。

カスタマイズ性の高い保障設計
　診断一時金型、治療給付型、通院給付型など、ニーズに合わせて保障内容を組み合わせられる商品が主流です。

先進医療や自由診療への対応
　先進医療特約や自由診療特約を付加することで、高額治療にも備えられるプランが増加しています。

保険料払込免除特約の充実
　がんと診断された時点で以後の保険料が免除される特約も多くの保険で採用されています。

女性向けや子ども向けの特化型商品
　乳がん・子宮がんなど女性特有のがんや、小児がんに特化した保障も登場しています。

がん保険は、治療費や生活費の負担、先進医療や通院治療への対応など、時代とともに保障内容が多様化・進化しています。

自分や家族のライフスタイル、年代、必要な保障内容を見極め、最新の保険事情も踏まえて最適なプランを選びましょう。

気になる点や不安があれば、無料相談サービスや保険の専門家に相談するのもおすすめです。