会社社長向け

債務免除益は怖い!団体信用生命保険に法人で加入している方は注意!

債務免除益という経済用語があります。これはブリタニカ国際大百科事典に次のように解説されています。

業績不振,債務超過などにより破綻に瀕している企業が,債務たなあげなどの救済を受けたり,純然たる営業活動助成の意味で借金を切捨ててもらったりしたときの会計の処理科目である。会計上の性格については,資本剰余金 (その他の資本剰余金) とみる考えと,利益とみる見解とがある。商法はこれを利益とみて,損益計算書には特別利益として記載することを規定している。

つまりどういうことかというと、債権者(銀行や社長)から借入金や未払金等の債権を放棄してもらうと、債務者は借金を支払わなくてすみます。

この免除されて返済しなくてよくなったお金のことを債務免除益と呼び、会社の利益となるのです。

債務免除というのは会社の借入金をなくしてもらうこと

役員借入金の免除も債務免除

会社経営をしていると、無借金で経営している会社はほとんどありません。

もちろん無借金経営というのは言葉は憧れではありますが、現実の話になるとやはり相当難しいのが現状だと思われます。

また、金融機関からの借入金はないにしても、社長自ら会社に対して私財を投入しているケースは本当に多く見受けられます。

これは、役員借入金と呼ばれるものです。

役員からでも銀行からでも借入金が多くなると、自己資本比率(会社が自前で用意したお金)が下がり金融機関から評価が下がってしまいます。(多少金融機関によっては変わってはきてはいますが、基本は変わりません)

その借入金がなくなれば、当然決算書はよくなります。じゃあ、債権放棄してもらえれば万々歳か?というと物事はそんな単純なものではありません。

債務免除はありがたいが…

債務免除を受けると、会社の財務体質は当然良くなります。

しかし、会社には経理処理というものがあるので、この支払わなくてよくなった債務を何かに仕分けなければなりません。

この会計処理は会社にとっては利益になります。

本来支払う必要のあった債務なのでそれを免除した金額はよくよく考えると会社にとっては得をしたことになりますよね。

ということはこれは利益として計算するのです。

利益が出ればどうなるでしょうか?利益の出ているところには税金がかかります。

つまりこれが債務免除益をしてもらった際の注意事項ということになります。

「債権放棄」や「損切り」をしてもらい

「よかった!よかった! これで借金がなくなった!」

と喜んでばかりはいられません。

その金額が多くなればなるほど多額の法人税を支払わなければならないということを知っておいて下さい。

具体的な金額で説明いたしましょう。

利益が出ていない年に仮に社長が会社に3000万円の貸付をしていて、そのうちの1000万円を債務免除したとします。

この社長が貸し付けたお金のことを役員借入金といいます。

そしてそのうちの1000万円は社長が債権放棄することになりますから、会社は返さなくてよくなります。

この1000万円は会社から見れば利益とみなされます。

ちなみに雑収入という仕訳で区分されます。

例え本業では利益が出ていなかったとしても、特別利益のような形で1000万円の利益になり、この利益に対して法人税が課税されるということになります。

仮に実効税率で法人税が約30%かかれば、300万円の法人税支払いになりますので、このことに注意しなければなりません。

団体信用生命保険に入っている方は要注意!

団信から保険金が支払われたお金は利益

金融機関から会社への融資をしてもらう際、団体信用生命に加入するよう求められることがあると思います。

団体信用生命保険と聞くと、住宅ローンを思い出しますが、仕組みは同じですね。

本来であれば法人での生命保険契約をしている場合、受取人は法人になります。

しかし団体信用生命保険の受取人は金融機関になります。

もし経営者が亡くなられた際に、この団体信用生命保険によって融資分の金額が保険金として金融機関に支払いをされ、借金は返済されます。

その借入金が仮に5000万円でもし経営者に万一のことがあれば、5000万円が金融機関に返済されます。

では会社の経理はどうなるでしょうか?

本来であれば5000万円の保険金は雑収入ということで処理しますね。

しかし今回のケースで言えば法人にお金が入金されることはありません。

5000万円借入金として帳簿に残っていたものが急になくなるわけです。

この消滅した5000万円は債務免除益として帳簿上に上げ利益とカウントするのです。

もし業績がトントンの会社だったとしても5000万円利益が上がることになりますので法人税がかかります。

この法人税が仮に30%の場合1500万円の法人税を支払わなければなりません!

団体信用生命保険に入っているから大丈夫と思われている経営者の方は多いですが、この債務免除益のことまで考えている人は一体どれだけいるでしょうか?

この会社の経営者に万一のことがあれば、本当に後継者は順調な事業承継をすることができるでしょうか?

ちなみに税金の支払いは待ってくれませんし、延滞税もかなりの高率でかかります。

借入金があり、団体信用生命保険に加入している方は、この法人税の支払いまでを考えて生命保険に加入しなければならないことをきちんと考えておきましょう。

では今回の場合であればどうすればよいのでしょうか?

特に先ほどの例でいえば業績がトントンの会社ということですから、当然1500万円をすぐに返済することは無理でしょう。

1500万円の法人税はそう簡単には支払うことができません。

となると、5000万円ではなくもう少し保障額を増やした保険に入る必要があります。

借入金が5000万円あるのであれば、税金は1500万円くらいかかるのは最初からわかっていることですね。

つまり支払う必要があるのは6500万円なわけです。

では6500万円の保険金に入ればいいのか?といえばこれでもダメですね。

6500万円の利益が出れば1950万円の法人税が必要となりますので450万円不足することになります。

では7500万円の場合はどうでしょうか?

7500万円で5000万円の債務免除益、そして2500万円の雑収入があります。

これはすべて利益になりますので、ここに30%の法人税がかかるとすれば2250万円の法人税がかかります。

7500万円からまずは5000万円の借金返済、そして2250万円の法人税を支払えれば残りは250万円残ります。

つまりこれだけの保険金に入っていれば、後から来るであろう法人税もきっちり支払えるのです。

借入金の1.5倍は保険に入る必要がある

借入金だけでは法人税が支払えない

団体信用生命保険に加入している人は今すぐに民間の生命保険会社で借入金の半分の生命保険に入っておきましょう。

もし何かあってからでは苦しむのは後継者であり、家族になります。

団体信用生命保険だけでは片手落ちになることもありますので、この機会に一度見直してみることをおススメしますよ。

借入金で家族が苦しむことのないようにきちんと加入することをもう一度しっかり確認しておいてください。

もしわからないようであれば、私の方でも相談に乗ることは可能です。

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ABOUT ME
FP福田
元大手金融期間出身のファイナンシャルプランナー お金の情報に精通し、年金不安のあるこの時代に効率的かつ無駄のないお金の残し方や貯め方を発信している。 アドバイスの内容はわかりやすいと特に女性に好評。 これまでの相談件数は延べ2000人以上で9割以上の人から指示を得ている。
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一人会社の社長で利益が出ている会社は節税にお悩みの方も多いですね。

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